私たちの取組み

ご法話

子どもへのメッセージ「かけがえのない君へ」
吉村 隆真

2019/03/15

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クイズ番組の解答に目からウロコが落ちました。クレヨンの「肌色(はだいろ)」は、今では「薄橙(うすだいだい)」や「ペールオレンジ」と呼ばれているのです。といっても、小中学生の皆さんには、すでに常識かもしれませんね。その証拠に、わが家でも正解できたのは小学生の息子だけでした。

日本では、肌の色に近いことから、あの色には長い間「肌色」という名前が使われてきました。私自身も子どもの頃だけでなく、大人になってからも何の疑問も持たずに平気で「肌色」と呼んできました。しかし、考えてみれば、肌の色は国や地域によって違います。「肌色」は一つではないのです。

ケンカ・いじめ・差別・戦争......これらの問題は、お互いの違いを認め合えないことから始まります。そのような態度が、いつも自分は「正しい」とし、相手を「まちがい」にしてしまいます。

音楽は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7つの音階の組み合わせですから、どれ一つ欠けても演奏できません。言葉も同じで、英語は「A~Z」の26字、日本語は「あ~ん」の50音で成り立っているので、一つでも欠けてしまうと文章や会話になりません。

人間も同じです。地球上にはたくさんの人びとが生きていますが、同じ人間などどこにも存在しません。あなたも私もただ一人です。それを別の言葉で「かけがえのない」といいます。その事実に気づくことができて初めて、自分だけでなく、相手も大切にできるのです。お互いを認め合い、お互いが支え合い、お互いに照らし合える世の中は、どんなに素晴らしいでしょう。

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