私たちの取組み

ご法話

子どもへのメッセージ「笑顔の力」
釋氏 真澄

2020/01/31

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カナダで開教使をしていた時のことです。あちらのTVコマーシャルで、たった一人の笑顔が他の人に伝わり、次から次へとみんな笑顔になるという微笑ましいものがありました。またご近所を歩いていると、私に向かって「ハロー!」と知らない人から笑顔で挨拶をされてあたたかい気持ちになることもありました。そしてカナダのお寺では、「ダーナ(布施)(ほどこしの意味)」...なかでも阿弥陀さまがご修行中になされていた「和顔愛語(やわらかな笑顔とやさしい言葉)」の布施を、仏教徒の理想的なあり方として自然に実践されており、いつもみなさんがニコニコとされていたのです。

さて、日本やカナダ等の国々では、昔に比べ今は「物」があふれて豊かになったと言われていますが、一方で人と人との「心」のつながりが薄れ、孤独を抱える人は増えていると聞きます。このような時代だからこそ、笑顔が一層大事に思えるのです。笑顔には人と人との心の壁を取りはらい、他の人に安らぎや喜びを与えるだけではなく、自分自身の心にも明るい灯を与えることもあるようです。そして笑顔には、社会全体をあたたかくやさしくする不思議な力があるのかもしれませんね。

最近三歳の息子が忙しくて笑顔を忘れている私に向かい、ニコニコの顔で「ママ~ニコニコして!」と言ってくれることがあります。そんな時...「忙しさで心(忄)を亡くさず、ほほ笑んでおくれ」という仏さまのお声が聞こえてくるようです。

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