私たちの取組み

ご法話

「いのち」の服装
東北教区宮城組甘露寺住職 本願寺派布教使
堀本ほりもと 教信きょうしん

2026/07/24

 みなさんは「死ぬ」ということを聞くと、どう思いますか。

 「いのち」が終わってしまうと思うかもしれませんね。でも仏教では、「いのち」はそれで終わるとは考えません。

 今、私たちの「いのち」は、人間の姿をしています。でも死ぬと、この姿は終わって、また違う姿に生まれ変わるんです。それは動物かもしれません。もしかしたら、小さな虫かもしれません。そして人として生まれる前にも、私たちはそうやって何度も生まれ変わって、いろいろな縁が重なって、今回たまたま人間として生まれてきたのです。このように「いのち」の服装をくりかえし着がえてきたのが私の「いのち」で、それを輪廻転生といいます。

 みなさんは、映画やアニメで生まれ変わってもまた会おうね」というセリフを聞いたことがありますか?「転生したら......」というアニメの中では、生まれ変わっても前の記憶を覚えていることが多いですよね。でも、本当はどうでしょう? はっきり覚えている人はいませんよね。それが輪廻転生なのです。

 今、みなさんにはお父さんやお母さんがいます。家族やお友だちもいます。ワンちゃんやネコちゃんと一緒に暮らしている人もいるかもしれません。たくさんの大切な人や大切な思い出がありますね。

 でも生まれ変わるときには、大切な人も思い出も、全部忘れてしまうんです。

 大切なことを忘れてしまうのは悲しいことですね。そして何度も大切な人に出会ってきたのに、また忘れてしまう。それをずっとくりかえしてきたのが私たちの「いのち」なのです。そんな私たちを見て、「このままにしておけない」と思われた仏さまがおられます。それが、阿弥陀さまです。

 阿弥陀さまは、そんなつらい悲しいことをくりかえしている私を見て、「もう二度と同じ悲しみをくりかえさなくていいようにしよう」と誓われました。そして私たち一人ひとりに何度も生まれ変わるときに着がえる服ではなく、悲しいことをくりかえさない特別な服をプレゼントしてくださいました。その特別な服には私の「いのち」を仏さまにしてくださるはたらきがあり、それは阿弥陀さまと同じ仏さまの服です。そしてその服の名前を「南無阿弥陀仏」というのです。だから、皆さんも阿弥陀さまからいただいた「南無阿弥陀仏」を大切にしてく ださいね。

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