私たちの取組み
ご法話
「阿弥陀さまと花火」
北海道教区空知北組圓覺寺住職 本願寺派布教使
轡田 大充
2026/10/01

夜に空に大きくひらく花火。暗い夜空に
「ドン!」という大きな音が響くと、赤、青、黄色、緑色、色々なキラキラとした色の光が夜空いっぱいにパァーっと広がります。
花火が上がると、「わあ、きれい!」、「これは大きいねぇ」と、あちらこちらから声が聞こえます。花火はパッと光って、あっという間に消えてしまいます。でも、その一瞬の光が、夜空を明るく照らし、見ている人の心を明るくします。
親鸞聖人は阿弥陀さまのお浄土の様子を歌(和讃)で「お浄土に咲いている一つ一つの蓮の花からは、数えきれないほどたくさんの光が放たれていて、その光は隅々まで明るく照らし、届かない場所はどこにもありません」ととてもきれいで不思議な「光」があふれていると教えてくださいました。
花火は火薬の力で光りますが、お浄土の光は、なんと「蓮の花」から生まれます。花の中から光が出てくるなんて、ちょっとふしぎに聞こえるかもしれません。でも、この歌は、花そのものの話ではなく、阿弥陀さまの光のことをたとえているのです。お浄土の池に咲いている青、黄、赤、白、黒、紫の色とりどりの蓮のはなびらそれぞれが光を放ち、一つ一つの光が他の光と混じり合い輝いているのです。しかも、その光の数は私たちには数えられないほどです。花火もたくさんの光の粒がありますが、阿弥陀さまの光はそれよりもずっとずっと多くて、世界中を包み込んでしまうほどです。
阿弥陀さまの光は明るく照らし、心を温かくしてくれる点で花火とよく似ていますが、花火とは大きな違いがあります。それは「どこにでも届くこと」です。花火の光は遠くへ離れると見えなくなりますし、建物の中や、心の奥まで照らすことはできません。しかし、阿弥陀さまの光はどんなに暗い場所にでも届きます。阿弥陀さまの光はなぜどこにでも届くのでしょうか。それは、私たち一人一人を「決して見捨てないよ」と約束して、みんなをお浄土という安心の世界へ連れていきたいと願われているからです。ですから私たちに「いつもあなたと共にいるよ」、と光をどこまでも照らし届けます。
阿弥陀さまは「あなたを一人ぼっちにはさせないよ」と、一人一人のいのちにその光を届け、いま、ここに、私の心を明るく照らしてくれるのです。
阿弥陀さまの光に照らされ続けていることに気づくと、私たちの心には本当の安心と喜びが生まれます。その喜びと「阿弥陀さま、いつも照らして守ってくださってありがとう」という感謝の気持ちを声に出して称えるのが、「南無阿弥陀仏」というお念仏です。今度、花火を見たときは、阿弥陀さまを思い出してお念仏を称えてみてください。南無阿弥陀仏。


